約2年ぶりに鎌倉にいく。
鎌倉はそんなに頻繁にいく場所ではないのだけれど、ふとした時に訪れたくなる気分にさせてくれる場所だ。そして、訪れるたび、新しい発見や新たに行きたくなる場所が出てくるので、おどろくほどに飽きることがない。
前回訪れた鎌倉は、雨の鎌倉だった。しとしと降る雨の中、北鎌倉駅で下車して、駅の真正面にある円覚寺を散策したりした。それから、長谷に移動してパン屋"bergfeld(ベルグフェルド)"でドイツパンを購入したりした。
今回はその時とはまるで対をなすような快晴であった。
晴れの鎌倉。
鎌倉は、季節や天候によって、おどろくぐらいにその街の表情を変えるから面白い。
さて、今回鎌倉には、二人のカメラマンによるポラロイドの写真展を観ることと、力餅を購入するという2つの大きな目的があった。
まずは、江ノ電の由比ガ浜駅で降りて、海のほうへとてくてくと歩く。
国道134号線に出ると、その先に青い海が見えてくる。そのすぐ近くの建物の前でこじんまりとしたフリーマーケットが開かれていた。そのフリーマーケットを「なにかめぼしいものはあるかな」なんて思いつつ、そこで売られているものをのぞきながら、建物の中に入る。
そこが、スタイリストの岡尾美代子さんと編集者の岡本仁さんの二人による「ポライバル展」(ポラロイド+ライバル=ポライバル)の会場だった。
窓から、空と海のふたつの青さが一望できるその場所では、ある1つのテーマに対して、岡尾さんと岡本さんそれぞれの視点で1枚ずつ撮ったポラロイド写真が並べられていた。いくつものテーマのポライバルな写真は偶然と必然の絶妙な出会いによって、そこにおしつけがましくない意味性を携えていた。
自分が訪れた時、岡本仁さんはなんともリラックスした表情で窓際のチェアーにゆったりと座っていた。岡尾美代子さんは展示場とフリーマーケットを行き来しながら、来場したお客さんにあたたかい表情で応対をしていた。
写真を一通り見終えたあとは、建物を出て、向かいのレストランや海などをカメラで写したりする。そして、しばし海を眺めたあとにちょっとしたドライブをする。

そして、横浜市の金沢区へと向かう。めざすは会員制の倉庫型スーパーマーケット"COSTCO(コストコ)"だ。
入口で大きなカートを受け取り、ほんとに巨大な倉庫の中に入っていくと、そこには、びっくりするくらいのボリュームの食材や、生活用品、それに家具や電気製品などが所狭しと揃っていた。
建物の端から端までチェックしてショッピングを済ませたあとは、これまた結構なボリュームのクラムチャウダーやファーストフードを口いっぱいに頬張る。食べ終えるころには、おなかは空気をパンパンに入れた風船のように膨れ上がっていた。
こころゆくまでスーパーマケット散策を堪能したあとは、再び鎌倉へと戻る。
長谷寺で、大仏をモデルにして、今日3つ持ってきたカメラ(コンパクトデジカメ・ホルガ、ポラロイドカメラ)でしばし撮影タイム。


久しぶりに外に持ち出したホルガで数枚写真を撮ったらほとんど写ってなくて、「んー・・・」と思ってみたが、よくよく考えてみたら、ホルガの反射盤を外すのを忘れていた。レンズのふたを取るのを忘れないように...と意識をそちらに向けてたが故のミスというか...、いや、単にドジなんですな。
写真タイムを終えた後は、今日の大きな目的である力餅を買いに長谷寺からそんなに離れていない坂ノ下へと向かう。
なんとも歴史の趣きを感じさせるお店の中に入り、しばし物色。お土産用に生餅と比べて日持ちのする求肥を購入する。


その後、続けて鎌倉散策をしていると、またまた小腹がすいてきた。
「せっかくの鎌倉だし、ビーフシチューかしら」とかつぶやきつつ、いくつかの飲食店の前を通り過ぎる。
どこも今の気分に惜しいところでフィットしないこともあって、最終的に、暗く細い裏道を歩きながら、鎌倉の老舗カフェ・ミルクホールへと向かうことにした。
薄暗いそのホール内にはすでに結構な人がいた。彼ら彼女らはそれぞれに軽い食事をしたり、アルコールを飲み交わしながら雑談を交わしたりしていた。
自分の横のテーブルにいた男女はそれぞれにカメラを抱え、尽きることがないかのようにずっとずっとカメラ談義を交わしていた。
その話が断片的に耳に入ってくる中、カレーライスとビール2本を美味しくいただく。
いい感じにほろ酔いして、ミルクホールのフリーペーパーを手にしながら外を出ると、夏の鎌倉はすっかり暗くなっていた。