2008年4月30日水曜日

4月の現状(音楽編)

3月に自分にしては怒涛の更新をしたはいいが、その後、沈黙し続け、気づいたらあっという間に4月も終わりとなってきたので、いまさらではあるのだが簡単に4月によく聴いたアルバムなどをピックアップしてみるのである。

監修・選曲・橋本徹/mellow beats,spirits&freedom
前作"Mellow Beats, Rhymes & Visions"は「いやこれ最強」とか思いながら部屋でも外でも聴きまくってたわけですが、今作"mellow beats,spirits&freedom"もまたにくいセレクト具合で一聴して、一人でメロウになりながら同時にエキサイトしてしまいました(はたから見たらキ○ガイです)。毎作、タイトルがその作品のトーンを絶妙に言い表しているこのシリーズなわけですが、今作は過去2作に比べて渋さが増して、より感情の深いところを突いてくる感じです。だけどマッチョでなく歌心に溢れてメロウなところが、たまらないです。ただ1つ惜しいのは今回、犬ジャケになってしまったこと。今回の内容的には犬の方がフィットしてるのは間違いないのだけど、できれば猫ジャケで通して欲しかったなあ...と。そう思うのだにゃん。

cruyff in the bedroom/saudargia
4/18に渋谷BOXXでツアーファイナルがあったこともあって、3月に引き続いてヘビロテ中。彼らの旧譜をあらためてこないだ聴き返していたのだけど、やはりドラムが変ったことによる化学変化ってとても大きいのだなあ、と思った。cruyff史上、最も軽やかなドリームポップ感と所謂バンド感に満ち溢れた今作の聴きやすさはとても貴重なものだとそう思います。


Doping Panda/Dopamaniacs

インディーズの初期から聴き続けてるDoping Panda。メジャー以降の彼らのロック猪突猛進ぶりには興奮を覚えることは間違いないのだけれど、結局のところ、極々個人的には"We In Music"あたりの彼らが一番好きだったりします。今の彼らのサウンドの分厚さはちょっと暑苦しすぎるというか、聴いてて疲れてきます。"聴きやすいロックミュージックに成り下がらない"って点では今の彼らが間違っているとは思わないのだけど。だけどなー。


el-malo/Noface butt 2 eyes

おそろしく長期に渡った冬眠から目覚めたかつての渋谷系裏番。そのどうにもロックでとまらない過剰さに、どうにも愛着を抱かざるをえないボーカルとメロディがドッキングゥ~。そんなわけでひたすらヘビロテしてました。にくい一枚。
Fantastic Plastic Machine/Sound Concierge: Japan: Japanese Lyric Dance

こういう切り口の一枚って、ホントは田中ハンじゃなくて、自分がやってなきゃいけないんだよなあ...とついつい思ってしまった一枚。セレクトされているアーティストや曲といい、BPMといい、ロッキング・オン・ジャパン度といい、正に自分がしっくりとクる感じ。これまたにくい一枚でした。


■Foals/Antidotes (解毒剤)

ひたすらぴろぴろちろちろ鳴ってるサウンドといい、毒っ気の効いた歌詞といい、つんのめった感じで矢継ぎ早に歌い殴るボーカルといい、アート感たっぷりのジャケットセンスといい、最近のこの手のバンドの中ではかなり好きな方です。でも早くも飽きつつある気もします。んー。

The Jetze Johnson/Discoveries

初期の頃からしたら、まあ随分とタフでロックでダンスでポップで、でも相変わらず斜めからの視線で全ての衝動が生まれているようで、なんとも手のつけようのないバンドになってきたなあ...とついつい感心してしまう今日この頃です。多分、自分がもっと若ければ、自分にとってのpre-school的存在になってくれたんじゃないかなあ、とか思います。これ、相当な褒め言葉ですね。
The Lodger/Life is sweet
"Life is sweet"なんてアルバムタイトルつけておきながら、全編bitter sweetなギターポップ感がたまりません。ジャケットに写る青年三人の情けなさ全快な表情が、このアルバムに与えているリアリティったら、突っ込みようがありません。蒼のまま行くのもまた一興だ。ついついそう納得させてしまうだけの文学性とエバーグリーンなギターサウンドは今の季節にしっくりきます。
■Los Campesinos!/Hold On Now,Youngester...
このアルバムも3月から引き続き耳にし続けている一枚。ユーモアとバランス感を超越したガシャガシャギターポップがむかつくくらいに気持ちよいです。この調子で彼らが60歳70歳になってくれたら、どんなに世界はロックなのだろうってよく分からない期待を持たせてくれます。"言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON"なんて歌を歌うその前に、まだまだ僕らに出来ることや言えることはあるはず。多分ね。
Svoy/Eclectric
小沢健二"eclectic"みたいなアルバムタイトルなのに、どちらかといえばコーネリアス寄りのサウンド形態なソロユニット・Svoyの新作。レコード屋のPOPでは"粉雪エレクトロ"なんて例え方をされてたっけ。どこか懐かしさと刹那さを感じさせる歌メロと、ちょっぴり情けなくも人懐っこさたっぷりのボーカルと、エレクトロサウンドの絶妙な出会いはすごく耳に気持ちよいです。ぶっちゃけ(死語)、すごく好きです(愛の告白)。
Tokyo No.1 Soul Set/No.1
3曲目" メリー・メン"で大笑いさせていただいて、4曲目"さぁ,どうなんだい"でひんやりとした感情に駆られさせていただいて、5曲目"Please tell me"では初めてソウルセットを聴いた時の衝撃に似たソウルセット節現在進行形にヤられ...。その後も聴きどころがありすぎて、そのシンプルながらの懐深さに脳内失禁してしまいました。変にべたべたしていない彼らの結果的に絶妙すぎる関係性から生まれるサウンドはやっぱり唯一無二のもので。とことんヘビロテさせていただきました。感謝卍

キリンジ/7

個人的には前作のようなエレクトロ寄りのサウンドがしっくりキますが、前作の質感は踏襲しつつ、ライブ感が増したむかつくぐらいに突っ込みどころのない、にくい一枚。相変わらず、ぬめりとした堀込弟のボーカルは最強ですね。
フルカワミキ/Bondage Heart
んーと、自分にとってスーパーカーってミキ嬢の危ういバランスに成り立った魔法のような声と、いしわたり淳二の切れ過ぎなくらい冴えたコピーライト感溢れた歌詞がデカかったわけなのだけれども。ソロ以降のミキ嬢の毒っ気含んだガーリーなセンスは今作でも十分に冴えてるとは思うのだけれど、それでもやっぱりちょっと物足りなさを覚えてしまう自分って欲張りなのかな。アルバムタイトルとかすごくいいと思うんだけどね。
宇多田ヒカル/Heart Station
で、そういった点でいうと宇多田ヒカルってやはり凄いなあって再確認させられてしまうわけです。作品追うごとに過剰になってきていた彼女が歌う際のフェイクとかはちょっと鼻につくというか苦手だったりするし、言葉のセンスも個人的には好みではなかったりするんだけど、そういった好みとか些細なセンスの違いをもろともしないひとつの作品としての強さがきちんと表現されているというか。あとアルバムの冒頭を飾る"fight the blues"の中の「女はみんな女優/か弱いフリして/めっちゃ強い/それでも守られたいんです」なんてフレーズとかシンプルだけどえらく真理だわ。逆をいえば「男はみんな男優/強いフリして/めっちゃ弱い/それでも強がりたいんです」なんて感じですかね。 いやあ、情けない。

電気Groove/J-POP
電気史上で、アルバム一枚通して聴いて自分が一番好きなアルバムですね、これ。とにかく飽きがこなさそうなくらいバランスが絶妙だもの。電気のくせに。シングル版とはversionが違う"少年ヤング"と"モノノケダンス"に関しては"少年ヤング"はアルバムverが、"モノノケダンス"はシングルverが好きですね。まあアタマ悪く思われてもかまわないので、とにかく「好き」と連呼したくなるというか、連呼せざるを得ない一枚です。うんこ。

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