2008年3月10日月曜日

ぼくはサイクリングと雑学が好きだった。

オザケン"強い気持ち強い愛"をより濃厚でディープで凶暴化したakakage remixもコンパイルした去年末にリリースされた小西康陽プロデュースの「京平ディスコナイト」を通して聴いたときも強く思ったんだけど、やっぱり今の自分にとって小西㊞の音楽ってちょっと食傷気味だったりします(基本的に彼の音楽が大好きだというのは前提なのですが)。



自分の耳と彼の音楽がしっくりと馴染まなくなってきたのは、思い返せば、彼がダイレクトにDJ的手法で曲を作り出した頃からでしょうか。その理由は、おそらく彼が過去の音楽からの"ネタ"を過剰的なまでに刹那的に見切ってループやサンプリングすることによって中毒性の高いダンスポップミュージックを生産しだした弊害として、その曲の賞味期限が短くなったことにあるのではないか、とか漠然と(でも確信を持って)思うわけですが。なので、初期ピチカートの音楽は今でもたまに聴きかえしたくなる気分に駆られるのだけど、ハッピーでチャームでフールなダンスミュージック期あたりからはどうにも頻繁には聴けなかったりするのです。

その一方、彼が今までに綴ってきた歌詞やコラムに限定してみると今読み返してみても、どれも全然古臭くないし、今なお新鮮にその作品を堪能することができるんですね。それは、ハッピーでチャームでフールなダンスミュージック期の彼の言葉やフレーズであっても同様です。それは彼の紡ぐしたたかなまでに基調のとれたシンプルな言葉がシンプルゆえに広く深い意味を感じさせるからだと思うのですが、そんなフォーエバー感たっぷりな彼の"コトバ"とも気づけばわりと長い間ご無沙汰していたわけです。

ですが、ようやく!! 個人的名著「それは恋ではない」から時が経つこと10年。彼が1993年から最近までに綴ったコラムなどをコンパイルした「それは恋ではない」続編的単行本「ぼくは散歩と雑学が好きだった。」が発売されました。

http://opendoors.asahi.com/data/detail/9219.shtml

っていっても、まだ未購入なので仕事帰りにでも吉祥寺に立ち寄って即買いしたいわけですが...。

今読んでも花粉でまったく、彼のしたたかに紡ぐコトバを満喫しきれないだろうな。残念だし、無念でR。

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