2008年3月17日月曜日

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

昨日の夜に、公開時に観たいと思っていて見損なっていた「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」をレンタルしてきて観る。

一見どんなに仲が良くて理想的な家庭でも、はたまたあからさまに荒み壊れきった家族であっても、その根底には(その関係性は臨もうが臨むまいが深い故に)少なからず必ず"愛"と"憎"が必ず入り混じらざるをえないだろうと思っている節がおそらく自分にはあるわけだが、そういった見地に長いこと至っている人間からするとタイトルだけで「やってくれたわ」というか、「まあこの作品は外しはしないでしょ」、と良くも悪くも安心できる要素は間違いなくある。

実際のところ、やはり、この作品中で出てくる姉妹や夫婦の絶望的なまでにキュートですらあるギスギス感は、決して笑っちゃいけない類のものだが同時にとてもユーモラスで微笑ましく、それはなぜかといえば、結局のところそこには憎むほどまでに強い"愛"という感情があるからだと思う。どんなにあがいても、或いは白けたふりをしても結局どこかで繋がっている(繋がっていざるをえない)関係性ゆえの悲喜劇とでもいうべきか。それはおそらく間違いなく真理の1つであるから、その真理を計算もありつつ無邪気にポップに演出されたらそれは当然それなりに面白いよなあ、と思ったり。

まあそんな訳でとにかく、ホラー漫画ネタであったり、サトエリのパーフェクトすぎるスタイルだったり、永作博美の白痴がかってすらいる笑顔であったり、個人的なツボも多々見受けられて飽きることなくエンディングまで観続けることができた。あとラストシーンはちょっと北野武「キッズリターン」を勝手に想い返してしまったりした。

でもまあほんとに、この映画で妹に指摘されているサトエリじゃないけど、自分では自分の面白さって把握しきれないし、うまく自己キャラを扱って演出したりなんてのはとても難しかったりするよね。

*追記・長瀬が永作博美をつきとばすシーンで大笑いしてしまった。つき飛ばされた直後の転がり具合と襖へのぶつかり具合がおもいきりツボに入ってしまった。 あと、結局のところ、予告編観て期待したよりはちょっと面白さが物足らなかったんだよね。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ公式サイトhttp://www.funuke.com/

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